冬なのに「毛穴落ち」する…その意外な真犯人とは?
「毛穴落ちって夏の悩みじゃないの?」——そう思っていませんか?
実は、冬こそ毛穴落ちが深刻化しやすい季節なんです。暖房の効いたオフィスで鏡を見たら、鼻や頬の毛穴にファンデーションが溜まってポツポツ目立っている…。朝はきれいだったのに、昼過ぎには崩れている…。そんな経験、ありませんか?
冬の毛穴落ちの真犯人、それは「インナードライによる皮脂過剰」です。
冬のオフィスは暖房で空気が乾燥しています。空気が乾燥すると角層の水分が奪われ、肌は「これ以上乾燥したら危ない」と判断。皮脂を多めに出してフタをしようとすると考えられています。これがいわゆる「インナードライ」——中は乾燥しているのに、表面だけベタつく状態です。
特にTゾーンは皮脂腺が多く、血流も多いため皮脂が出やすい部位。頬は粉っぽいのに額だけ油田…という混合肌あるあるの正体がここにあります。さらに、外の寒さからオフィスの暖房への温度差やストレスも、皮脂分泌を後押しする要因に。
つまり、冬の毛穴落ちは「乾燥」と「皮脂過剰」という一見矛盾する2つの現象が同時進行しているのです。
冬の毛穴落ちメカニズム
- 暖房による空気の乾燥 → 角層の水分が奪われる
- 肌の防御反応 → 皮脂分泌が増加(インナードライ)
- Tゾーンの皮脂過剰 + 頬の乾燥 = 混合肌状態
- 開いた毛穴にファンデーションが流れ込む → 毛穴落ち
クッションファンデはなぜ「みずみずしいのに崩れにくい」のか?
近年、クッションファンデが人気なのは、その独特なテクスチャにあります。スポンジを押すとじゅわっと染み出てくるあの感触——みずみずしいのに、肌にのせるとぴたっと密着して崩れにくい。この矛盾を解決しているのが、処方設計の科学です。
①水分含有率が高い理由──「保湿」と「密着」の両立
クッションファンデの最大の特徴は、高い水分含有率です。一般的なリキッドファンデと比べて、化粧水に使用される成分(グリセリン、BG、DPGなど)を中心に作られています。
例えば、メイベリンの「ピュアミネラル BB フレッシュクッション マット」は、保湿成分のグリセリンなど化粧水成分を中心に処方されており、表面はマットなのに内側はしっかり潤う設計になっています。皮脂を吸着するシリル化シリカを配合することで、サラサラとした使用感が期待できます。
イヴ・サンローランの「アンクル ド ポー ルクッション」も、高い水分含有率と独自の揮発性オイルによって、みずみずしく肌になじみ、グリセリンによって保湿効果を強化。水分の多いゆるめのリキッドなだけに、肌なじみが良く、素肌のような仕上がりが期待できます。
この「水分多め」の処方が、冬の乾燥肌にも対応できる理由なのです。
②粉体の「高分散技術」がカギ──表面のなめらかさと光の通り方
ファンデーションには、肌悩みをカバーするために光を反射・散乱させる粉体(白色顔料など)が配合されています。しかし、粉体が肌に多くのると、塗膜表面に露出してゴツゴツしたり、光の多くが表面で反射して粉っぽさや白浮きが生じます。
ここで重要なのが粉体の高分散技術です。
花王の研究では、独自素材(オキサゾリン変性シリコーン)を用いて、高分散した粉体を包み込むぷるぷるのゲル構造を形成させる技術を開発しました。このゲルは、塗布すると肌のように非常になめらかな表面を持つ塗膜となり、内部に光を充分に取り込むことができます。それにより、しっかりとカバーしながらも粉っぽさや白浮きを感じにくい、肌のように自然な美しい仕上がりを目指した処方です(メーカー研究による)。
ポーラ化成工業も、独自の処方技術により水や水溶性保湿成分を増やしながらも流動性の高いファンデーション液を実現。クッションファンデーション技術の進化を牽引しています。
つまり、粉体を「均質に分散させて包み込む」ことで、なめらかな塗膜と自然なカバー力を両立させているのです。
③皮脂吸着と保湿の”矛盾”を解決する処方戦略
「皮脂吸着成分」と「保湿成分」——この2つは一見矛盾するように思えますが、クッションファンデの処方では見事に共存しています。
| 成分タイプ | 代表例 | 役割 |
|---|---|---|
| 皮脂吸着成分 | シリル化シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン | 皮脂を吸着し、テカリを抑える使用感 |
| 保湿成分 | グリセリン、BG、ヒアルロン酸、セラミド | 角層にうるおいを与え、しっとりとした使用感を与える |
| 光コントロール成分 | マイカ、酸化チタン(着色成分) | 光を拡散し、毛穴を目立たなくする(メーキャップ効果による) |
この絶妙なバランスが、「冬の乾燥を防ぎながら、日中の皮脂によるメイク崩れも防ぎやすい」という冬のベースメイクの理想を叶えているのです。
クッションファンデの処方構造のポイント
- 水分層:グリセリン、BG、DPGなど化粧水成分中心
- 油分層:揮発性オイルで軽い使用感を実現
- 粉体分散:高分散技術でなめらかな塗膜形成
- 皮脂吸着+保湿の二層設計で冬の肌に対応
処方を活かす下地選び──「しとさら理論」で冬の毛穴落ちを制する
クッションファンデの処方特性を理解したら、次は下地選びです。ここで重要なのが、「しとさら理論」——保湿系(しっとり)と皮脂コントロール系(さらさら)を交互に重ねる考え方です。
①「皮脂吸着」だけでは冬の毛穴落ちは防げない理由
「毛穴落ちするなら、皮脂を徹底的に抑えればいいのでは?」——これは大きな誤解です。
冬のTゾーンテカリの正体は、「乾燥×インナードライ×部分的な皮脂過剰」。ただ皮脂を吸い取るだけのアイテムでは、肌の乾燥が進み、かえってテカリやすい肌状態を招く可能性があります。
注意したい方向性:保湿とのバランスが取れていない皮脂コントロール
- エタノールが多く配合され、つけた瞬間のサラサラ感を出すものの、乾燥が気になる方には適さない場合があるもの
- 収れん成分(毛穴をキュッとさせる成分)を過剰に配合したもの
これらは一時的にテカリを抑えても、長期的には乾燥を招き、インナードライを悪化させる可能性があります。
②下地成分の読み解き方──何を避け、何を選ぶべきか
冬の毛穴落ち対策として、下地選びでチェックすべき3つの軸があります。
| チェックポイント | 見るべき成分・特徴 | 理由 |
|---|---|---|
| ①皮脂吸着成分の種類と量 | シリカ、酸化亜鉛、酸化チタンなどがバランスよく入っているか | 過剰配合は乾燥しやすくなる場合があります |
| ②保湿成分がちゃんと入っているか | BG、DPG、グリセリン、ヒアルロン酸、セラミドなど | 皮脂吸着と保湿のバランスが重要 |
| ③肌負担を増やしにくい処方か | 必要以上のアルコール・香料に頼っていないか/抗炎症成分やツボクサエキスなど肌荒れケア成分が添えられているか | 敏感になりがちな冬肌に優しい |
選ぶべき成分例:
- 毛穴カバー成分: シリコン、ポリマー(毛穴の凸凹を目立たなくする/メーキャップ効果による)
- 皮脂吸着成分: シリカ、酸化亜鉛(適量)
- 保湿成分: セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン
- 整肌成分: ビタミンC誘導体、アーチチョーク葉エキス(肌のキメを整える)
③クッションファンデと相性の良い下地タイプ
クッションファンデは水分含有率が高いため、油分が多すぎる下地とは相性が悪い場合があります。逆に、さらさら系の下地だけでは乾燥が進みます。
理想は、「皮脂吸着+保湿」のバランスが取れた下地です。
| 下地タイプ | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 全体用・保湿タイプ | 顔全体に使える、保湿成分配合 | 混合肌・乾燥が気になる人 |
| スポット用・毛穴埋めタイプ | シリコン・ポリマー配合、固めのテクスチャ | Tゾーンや頬の毛穴が目立つ人 |
| 皮脂コントロールタイプ(保湿あり) | 皮脂吸着+保湿成分のバランス型 | インナードライ・冬テカリに悩む人 |
「薄く重ねる」が正解──処方特性を踏まえた塗布設計
どんなに優れた処方の下地やクッションファンデでも、使い方を間違えると毛穴落ちします。ここでは、処方特性を活かす塗布方法を解説します。
①スキンケア後の「待ち時間」が崩れを左右する
意外と見落とされがちなのが、スキンケア後の待ち時間です。
化粧水や乳液が肌になじんでいない段階で下地を塗ると、下地が上滑りしてうまくなじまず、カバー力の低下やヨレの原因になります。スキンケア後は5〜10分ほど待ち、肌表面のベタつきがなくなった段階でメイクを始めましょう。
どうしても時間がないときは、肌の表面を軽くティッシュオフして、ベタつきを取ることをおすすめします。余分な油分が取り除かれるため、メイク崩れや毛穴落ちを防ぎやすくなります(メーキャップ効果による)。
②下地→クッションファンデの「重ね方の黄金ルール」
下地の塗り方:
- 下地をよく振る(成分が沈殿している場合があるため)
- Tゾーン・小鼻・あごなど、テカりやすい部分に少量ずつ置く
- 指の腹で、こすらずスタンプ塗り→最後にサッとならすイメージでなじませる
- 乾燥しやすい頬は「残りを軽く伸ばす程度」にとどめる
クッションファンデの塗り方:
- パフに適量を含ませる
- 頬の中心〜小鼻の横だけ丁寧に、外側はパフの残りでサッと
- 厚塗りは毛穴落ちの大きな原因——薄く、ぼかすように塗る
仕上げのパウダー:
- パフに含ませ、手の甲で一度余分な粉を落とす
- おでこ→鼻筋→小鼻→あご の順にスタンプ置き→軽くなじませる
③毛穴が目立つ部分への「局所対応」テクニック
毛穴は下に向いて開いているので、上から下に塗っても凸凹が埋まりません。下から上に下地を塗ることで、毛穴の凹凸をカバーしやすくなります(メーキャップ効果による)。
毛穴カバーのポイント:
- 小鼻・頬の毛穴は「くるくると円を描くように」なじませる
- 少量を少しずつ伸ばす(1度に多量の下地を塗ると、かえって毛穴が目立つ場合があります)
- スポンジで軽く押さえるとフィット感がアップ
化粧品開発者が教える「1日崩れにくい」冬のベースメイクルーティン
ここまでの知識を統合して、朝から夕方まで崩さない実践ルーティンをご紹介します。
STEP1:スキンケアで「水分の土台」を作る
- 洗顔はやりすぎない(朝はぬるま湯〜やさしい洗顔料程度)
- 化粧水+乳液または軽いクリームで水分と油分の土台を整える
- 「テカるから乳液は省略」すると、肌の水分と油分のバランスが崩れやすいので要注意
STEP2:下地で「皮脂吸着+保湿」を仕込む
- 下地をよく振る
- Tゾーン・小鼻・あごなど、テカりやすい部分に少量ずつ置く
- 指の腹で、こすらずスタンプ塗り→最後にサッとならすイメージでなじませる
- 乾燥しやすい頬は「残りを軽く伸ばす程度」にとどめる
STEP3:クッションファンデは「薄く、ぼかす」
- リキッドでもクッションでもOKですが、厚塗りは毛穴落ちの大きな原因
- 頬の中心〜小鼻の横だけ丁寧に、外側はスポンジの残りでサッと
STEP4:昼のお直しは「押さえる+スタンプ」
- ティッシュを半分に折り、Tゾーンを押さえるだけで皮脂をオフ(こすらないことが大事)
- パウダーをパフに含ませ、手の甲で一度余分な粉を落とす
- おでこ→鼻筋→小鼻→あご の順にスタンプ置き→軽くなじませる
- くすみが気になる頬の高い位置に、ごく薄く重ねる
これだけで、テカリを抑え、毛穴落ちもほどよくぼかし、「お直ししました感」が出にくい仕上がりを目指せます(メーキャップ効果による)。
1日のベースメイクタイムライン
- 朝(6:00-7:00): スキンケア → 5〜10分待つ → 下地 → クッションファンデ → パウダー
- 昼(12:00-13:00): ティッシュで皮脂オフ → パウダーでスタンプお直し
- 夕方(17:00-18:00): 必要に応じて部分的にお直し
「成分を読む力」が、冬の毛穴落ちを終わらせる

冬テカリの正体は、「乾燥×インナードライ×部分的な皮脂過剰」。だからこそ、ただ皮脂を吸い取るだけのアイテムではなく、「皮脂吸着+保湿」のバランスが取れた下地とクッションファンデを選ぶのが近道です。
処方の仕組みを理解することで、
- 「冬の毛穴落ち」が乾燥とインナードライが引き金になっていることが分かる
- 「この成分が多い下地は、私の混合肌には合わなそう」と成分表を見たときの判断軸が1本通る
- 「冬 テカリ 毛穴」「オフィス 暖房 テカテカ お直しパウダー」で検索して迷子になる時間が減る
つまり、「テカテカで毛穴落ちした顔で写真に写りたくない」という不安から、「とりあえずこれとこれを持っておけば、1日なんとかなる」という安心感のある状態へ。
成分を読む力を身につけることが、冬の毛穴落ちを終わらせる最強の武器なのです。
